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 国際基準での問診

問診票で片頭痛の疑いがあった場合は、国際学会の診断墓準を念頭に置きながら、それらの所見の符合を考えて確定診断することが重要です。
確定診断の際には、問診票で簡単に調べた項目の一部について一歩進めた問診を再度行う必要があります。
一般社団法人 日本頭痛学会のページも参考にして下さい。

<前兆を伴う片頭痛>
1と9が過去に2回以上存在すること

<前兆を伴わない片頭痛>
1、2、3〜6の2項以上、7,8の1項以上

以上の項目を満たせば、国際学会基準による『前兆を伴う片頭痛』『前兆を伴わない片頭痛』と確定診断できます。
もし他の頭痛や神経疾患が存在したとしてもそれらとの関連が否定できれば問題ないでしょう。

 
1.
頭痛発作がいったん現れると,だいたい何時間くらい続きますか?

国際学会の基準では偏頭痛の1回当たりの発作時間は4〜72時間とされています。
成人では、それから外れたら片頭痛の可能性が薄いと考えてよいでしょう。ただし発作重責やtransformed migraineでは、 一見もっと長く続くようにみえるので、慎重な対応が必要です。

また小児片頭痛では、発作時間が4時間以内のことも多く、現在の基準からは漏れる結果になるので、1時間以上でよいとする説などが提案されています。

2.
今までに頭痛発作を5回以上経験していますか?

国際学会の基準では、従来5回以上の頭痛発作があったことが基準として掲げられています。
5回未満の場合には、将来的に片頭痛である可能性を否定しないものの診断の確定にはならない、ということです。 要は反復性の経過であることを確認するための基準であるといえるということです

仮に5回を越えていたとしても病歴の浅い患者では症候性頭痛を含む他の頭痛である可能性が否定できないので、 それらについての診断も視野に入れておくことが必要であるでしょう。

3.
左右どちらで頭痛が強く現れますか?

片頭痛では、80%の症例では片側性であるか、両側性であっても左右差が認められています。
完全に片側ばかりの症例はむしろまれで、主として右、主として左、といった患者がそれぞれ約20%、 発作のたびに羅病側が変動する患者が20%、両側性の痛みがあるが左右差を認めるのが約20%、 両側とも同じように痛むのが20%です。

脳底型片頭痛では、左右差はみられません。また小児偏頭痛や高齢者でも左右差がはっきりしない場合が少なくありません。

4.
痛みは脈に合わせたような痛みですか?

片頭痛の痛みは,頭部の動脈拡張に基づくので拍動性の痛みを呈することが多いですが、 特に拍動感は頭痛発作の出始めから現れ、ピークまでが典型的です。
発作が始まってからある程度の時間が経過すると血管周囲の浮腫のために拍動感が不明確になり、 消失前には非拍動性の鈍痛感に移行するのが普通です。

また小児や高齢者では拍動感が不明確な場合が少なくありません。

5.
痛みは中等度〜高度で,日常生活動作に支障をきたすことがありますか?

片頭痛の痛みは、軽度、中等度、高度の3段階に分けると中等度以上であることが墓準に示されています。
高度は寝込む状態、中等度は一応就業、就学、日常活動などが可能だがかなり支障がある、 軽度なら痛みはあっても就業などには影響するほどではない、と考えてよいでしょう。

ちなみに緊張型頭痛の痛みは、軽度〜中等度で高度な痛みを示すことはありません。

6.
歩行や生活動作によって頭痛が強められることがありますか?

日本人の場合には,外国人より頭痛が弱いのか、我慢強いのか判定がむずかしい面があり、 発作中も寝込む比率が多くありません。しかし発作中、運動すると痛みが強調される患者は多く、 特に階段をすばやく昇降したときになどに痛みが強くなることを明確に自覚する患者が大多数です。

7.
頭痛発作のとき,眼吐や吐き気を起こしたことがありますか?

機能性(慢性)頭痛のうち嘔吐を起こすのは片頭痛と群発頭痛のみです。 片頭痛では悪心、嘔吐を呈します。悪心を呈する症例は多いですが、嘔吐は必ずしも発作のたびに呈するとは限りません。

概して年齢が高くなるに従って嘔吐の頻度は少なくなります。発作が軽い場合には悪心が不明確なこともありますが、 食欲不振は確認されるでしょう。

8.
痛いとき,大きな音や明るい光は嫌ですか

光過敏,音過敏は外国人のデータに比較して東洋人ではやや軽いようです。 痛いときに光や音で頭痛が強調される場合は少なくありませんが、両者とも認められる症例は半数強です。

また光や音に比較するとやや少ないが臭い過敏を訴える患者もしばしば存在します。
かなりの愛煙家であっても頭痛が現れると臭いが気になり喫煙できない患者も多くいます。

9.
頭痛が現れる前に,視覚や視力の異常を感じることがありますか?

局所性大脳皮質あるいは脳幹由来の巣症状が頭痛に先行して出現し、これが4〜20分持続します。 長くても60分を越えることはありません。過去に2回以上その症状が出現したことがあることが診断の基準となります。

わが国ではほとんどが閃輝暗点を含む視覚症状ですが、まれに手掌・口症候群、片側麻痘などを示す症例もあります。
首すじの張り、なまあくびなどの前駆症状が現れる症例も多いですが、これらの場合には巣症状ではないことから『前兆』には含めない方がよいでしょう。

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